ひょっとしたらという予想はありましたが、こんなにも早い段階で、案件が発生するとは思いませんでした。
熊本県人吉市の避難所運営支援のために香川県から派遣されていた職員が、新型コロナウイルス感染症に感染していたことが判明するというニュースが飛び込んできました。
改めて、災害の避難所の運営について危険性が高いことを認識させられました。
今回は、避難所でのボランティアなどの受け入れについて、私なりの対策案を考えてみました。
参考にしていただけると幸いです。
派遣の状況
香川県から応援派遣された職員は、高松市職員の30代男性で、保健師とのこと。7月8~11日にかけて避難所の運営に従事した模様で、派遣が終わって、香川県に戻った後13日にPCR検査を受けて陽性と判明したということです。
この方は無症状で、香川県内の感染症指定医療機関に入院しています。感染経路はわかっていません。7月8日に熊本市の県庁でオリエンテーションを受けた後、人吉市に移動し任務にあたったようです。従事場所は、人吉市内の人吉第一中学と多良木町の旧多良木高校の避難所で、避難者に対面で健康状態の聞き取りなどを行っていました。二つの避難所の避難者は計約300人とのことです。
熊本県の発表によれば、この男性職員はマスクを着けていたため、避難者は濃厚接触にはあたらないようで、濃厚接触者は香川県から派遣された職員5人になるそうです。職員と同じ班の職員2人はPCR検査で陰性が確認たとのことです。
この男性職員は、無症状でなぜ、PCR検査を受けたのかよくわかりません。
避難所での怖さ
避難者が感じた怖さ
今のところ2次感染は確認されていませんが、避難所に避難することが怖いと思われた被災者の方が多かったのではないかと思います。
もし、これから発生する災害で避難が必要な方もこのニュースを受けて、避難を躊躇するかもしれません。
避難所設置・運営者の感じた怖さ
避難所の運営にはとにかく人の手が足りません。どうしても他の地域からの応援やボランティアに頼るしかありません。
しかし、それらの人を受け入れて、避難者に新型コロナウイルス感染症をまき散らしてしまったらどうしようと思い、ボランティアの受け入れを躊躇しようかと思った人も多いと思います。
避難所のスタッフ受け入れの対策
受け入れ時に、全員にPCR検査の実施
ものすごく手間がかかってしまいますが、ワクチンができるまではこれしかありません。受け入れ時に全員にPCR検査を実施して陰性であれば受け入れと言うことにしないと避難者の安全は確保できないと思います。
避難所派遣中は感染防止対策の徹底
今回の派遣された男性職員も、避難所で一緒だった職員が濃厚接触と判定されています。スタッフの控え場所や食事場所での感染防止対策(離れて座る、食事は時間をずらして一緒に取らないなど)も必要だと思います。
任務完了後にもう一度PCR検査
そして、任務終了で、元の家に帰る前にはもう一度PCR検査を実施するべきかと思います。これは、避難所内での感染もそうですが、自宅に帰った際に、避難所から持ち帰ると言うことを防ぐためにも必要かと思います。
任務終了後最低2週間は健康状態を追えるよう連絡を
もちろん、感染直後にPCR検査ですべてを発見できる訳ではありませんので、最低2週間は連絡を取れるように体制を取っておく必要があると思います。
まとめ
現在の新型コロナウイルス感染症の感染状況を見ていると、避難所に新型コロナウイルス感染症が持ち込まれることは防げないと思います。
しかし、できる最大限の事はしておかなくてはなりません。
PCR検査は時間も手間もかかり、1日にできる数も限られていますが、今回私が提案したように、ボランティアの受け入れの時点で全員に実施しておいた方が良いかと思います。
今回のように避難所で感染者が発生した場合には、結局、避難者全員のPCR検査を実施しなくてはならず、結果として数は膨大になります。
避難所での不幸な出来事が起こらないよう、今年に限り新たなルール作りが必要だと思います。
コロナ危機の社会学 感染したのはウイルスか、不安か