ボリンジャーバンド

投資入門
ボリンジャーバンド

テクニカル分析の定石と言えば、ボリンジャーバンドではないでしょうか。

ローソク足、移動平均線、MACD、RSI、ボリンジャーバンド、これが揃ってテクニカル分析をしていけば、かなり勝率は上がるはずです。

とはいっても、過去のデータなどで検証を行って、自分の肌感覚を養っておかなくては、なかなか難しいかもしれません。

今回は、入門編としてボリンジャーバンドを簡単に理解して、読んだ後からすぐに実践できるようわかりやすく解説していきたいと思います。

ボリンジャーバンドとは

まず、ボリンジャーバンドとは何なのか説明したいと思います。

ボリンジャーバンド(Bollinger bands)とは、アメリカの投資家ジョン・ボリンジャーが考案したテクニカルチャートのひとつで、移動平均線とその上下2~3本ずつの標準偏差からなる線の計5~7本の線で表わされるものです。

ボリンジャーバンドは統計学を基に考えられていて、統計学などでよく使われる単位の「σ(小文字のシグマ)」が使われます。統計学でデータの散らばり具合を表すために用いられる、「標準偏差」が基になります。

基本的に20~25日の移動平均線から、̟̟標準偏差のプラスマイナス1σが基準となり、この1σの2倍が2σ、3倍が3σになります。±1σの間に数字が収まる確率が約68%、±2σの間に収まる確率が約95%、±3σの間に収まる確率が99%となるようになっています。

データが散らばれば散らばるほど、シグマの間隔が広がりますので、株価などに置き換えてみれば、値動きが激しい時はこの感覚が広がると言うことになります。

標準偏差

ボリンジャーバンドの基本的な活用法

ボリンジャーバンドの使い方ですが、通常2σに近づけばその範囲内で95%の確率で収まるので、逆方向に値動きするだろうと考えてしまうかもしれません。しかしこれはレンジ相場の時には有効ですが、そこを上抜けたり下抜けたりした場合には全く訳に立たないと言うことを知っておくと良いと思います。

開発者のボリンジャーも、「ボリンジャーバンドは逆張り手法ではなく、順張り手法である。・・・。」と言っているように基本的には、レンジ相場からトレンド相場に転換するときに役立てるべきものです。

ドル円チャート(ボリンジャーバンド)

上の画像は最近のドル円のチャートですが、これを見るとわかりやすと思いますが、ボリンジャーバンドが収束している部分があると思います。この次のタイミングに上か下の2σを大きく突き抜けることが往々にしてあります。このように突き抜けた場合には、その後1週間程度は同じトレンドになることが多いです。

このように突き抜けた方向に順張りすると言うのが開発者ボリンジャーが言っていることで、ボリンジャーバンドの正しい使い方になります。

MACDやRSIなどをボリンジャーバンドと合わせて利用することにより、今が売り時なのか買い時なのか判断することもあります。

上の画像でボリンジャーバンドが収束している最後のあたりではMACDは売りのサインが出ていました。MACDとボリンジャーバンドを合わせて活用していれば、かなり大きな利益が出たと思います。

私は、損切りの設定を間違えてしまい、大損をしてしまいました。皆さん、損切り利確という出口戦略はしっかり準備しておきましょう!

ボリンジャーバンドの活用例

逆張り手法(発生頻度は多い。利幅は少ない。)

正しいボリンジャーバンドの使い方ではありませんが、FXなどでは多くのトレーダーが活用している手法で、ボリンジャーバンド逆張り戦略です。

ローソク足が2σにタッチしたときに、逆方向へポジションを取ると言うことになります。

+2σにタッチした場合は売り、-2σにタッチした場合には買いというやり方です。

先ほども、言ったとおり、レンジ相場では有効ですが、トレンドが発生した場合には大きく損する場合もあります。他のテクニカル分析と併せて活用することが大事になってきます。

順張り手法(発生頻度は少ない。利幅は大きい。)

正しいボリンジャーバンドの使い方です。

2σを大きく突き抜けた場合には、トレンドの転換か、何らかの突発事項が発生したときになります。この傾向はしばらくの間続きますので、利幅も大きくなります。

通称「バンドウォーク」と呼ばれる、2σにずっと張り付いたまま値動きするという現象もあります。

標準偏差の考え方からすればかなり異常なことなので、近いうちにはトレンドは終了することも予想して出口戦略を整えておく必要もあります。

まとめ

ボリンジャーバンドは統計学からうまれたテクニカル分析です。

高校や大学などの受験の際によく使った偏差値ですが、その偏差値に例えてみるなら、偏差値60が1σ、偏差値70が2σ、偏差値80が3σとなります。分布確立をイメージする際にわかりやすいかと思います。

株価などの終値が2σを超えると言うことはかなり異常なことになりますが、この場合には、反発するとは考えずにトレンドが転換したと判断するのが開発者の考え方になります。

ボリンジャーバンドは順張り手法なのですが、最近のトレーダーは逆張り手法で活用している場合も多いようです。逆張り手法では、レンジ相場のみで有効で、トレンド転換が起こった場合には手遅れになることが多いです。他のテクニカル分析と併用することによって精度を高めていくことになります。

順張り手法では、異常値が続いている訳ですからトレンドが終了することが近くなって行きます。出口戦略をしっかり立てて、利確のタイミングを逃さないようにしましょう。

ボリンジャーバンドは意外と使っていない人もいるようですが、活用しているトレーダーも多いので、ボリンジャーバンドの2σなどが抵抗線や支持線になることも多いです。しっかり覚えておいてトレードに活用しましょう。

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