新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について

健康
ウイルス対策

 以前に記事を掲載しておりましたが、独立行政法人 製品評価技術基盤機構(通称:NITE(ナイト)から、新型コロナウイルスを用いた候補物資の有効性評価結果の最終報告がこの度、公表されました。

 これを受けて、厚生労働省は「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」、現在わかっていることをまとめホームページに掲載しています。

 やたらと、わかり難い表現で長々と記載してあり、我々、一般人には難解ですので、今回はできる限りわかりやすく説明したいと思います。

 職場や家庭の消毒作業の参考にしていただけると幸いです。

NITEの最終報告

 NITE(ナイト)[独立行政法人 製品評価技術基盤機構 理事長:辰巳 敬]は、第5回「新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価に関する検討委員会」を6月25日に開催し、新型コロナウイルスを用いた候補物資の有効性評価結果の最終報告をとりまとめ6月26日にホームページで公表しました。
 今まで公表済みの結果に加え、新たに2種の界面活性剤、及び一定の濃度以上の次亜塩素酸水が、新型コロナウイルスの消毒に対して有効であることが公表されました。

(1)界面活性剤は次の9種を有効と判断

  • 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.1%以上)
  • アルキルグリコシド(0.1%以上)
  • アルキルアミンオキシド(0.05%以上)
  • 塩化ベンザルコニウム(0.05%以上)
  • 塩化ベンゼトニウム(0.05%以上)
  • 塩化ジアルキルジメチルアンモニウム(0.01%以上)
  • ポリオキシエチレンアルキルエーテル(0.2%以上)
  • 純石けん分(脂肪酸カリウム(0.24%以上)
  • 純石けん分(脂肪酸ナトリウム(0.22%以上)

(2)次亜塩素酸水は、以下のものを有効と判断。

  • 次亜塩素酸水(電解型/非電解型)は有効塩素濃度35ppm以上
  • ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムは有効塩素濃度100ppm以上

なお、今回の検証結果を踏まえると、次亜塩素酸水の利用に当たっては以下の注意が必要であることが確認されました。

①汚れ(有機物:手垢、油脂等)をあらかじめ除去すること

②対象物に対して十分な量を使用すること

厚生労働省のまとめ

ウイルスの特性と感染予防

 新型コロナウイルスへの感染は、ウイルスを含む飛沫が口、鼻や眼などの粘膜に触れること、または、ウイルスがついた手指で口、鼻や眼の粘膜に触れることで起こります。
 飛沫を吸い込まないよう人との距離を確保し、会話時にマスクを着用し、手指のウイルスは洗い流すことが大切です。さらに、身の回りのモノを消毒することで、手指につくウイルスを減らすことが期待できます。
 現在、「消毒」や「除菌」の効果をうたう様々な製品が出回っていますが、目的にあった製品を、正しく選び、正しい方法で使用しましょう。

手指などの感染予防

 手指の感染予防対策で有効な薬剤等は、石鹸かアルコールしかありません。

 手や指についたウイルスの対策は、洗い流すことが最も重要です。手や指に付着しているウイルスの数は、流水による15秒の手洗いだけで1/100に、石けんやハンドソープで10秒もみ洗いし、流水で15秒すすぐと1万分の1に減らせます。
手洗いの後、さらに消毒液を使用する必要はありません。

 手洗いがすぐにできない状況では、アルコール消毒液も有効です。
 アルコールは、ウイルスの「膜」を壊すことで無毒化するものです。
 使用方法は、濃度70%以上95%以下のエタノールを用いて、よくすりこみます。それだけでOKです。
(※) 60%台のエタノールによる消毒でも一定の有効性があると考えられる報告があり、70%以上のエタノールが入手困難な場合には、60%台のエタノールを使用した消毒も差し支えありません。

モノに付着したウイルス対策

モノに付着したウイルス対策としては様々な方法が有効です。

基本的に拭きとりによる対策になります。若干、モノの種類によって方法が違いますので、種類に応じて対応が必要です。

熱水

食器や箸などには、熱水でウイルスを死滅させることができます。
<使用方法>80℃の熱水に10分間さらします。

塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)

テーブル、ドアノブなどには、市販の塩素系漂白剤の主成分である「次亜塩素酸ナトリウム」が有効です。「次亜塩素酸」の酸化作用などにより、新型コロナウイルスを破壊し、無毒化するものです。
<使用方法>市販の家庭用漂白剤を、次亜塩素酸ナトリウムの濃度が0.05%になるように薄めて拭きます。その後、水拭きしましょう。

この2度拭きがめんどくさいとの声も多いようですが、人体に影響がある場合がありますので、できる限り2度拭きしましょう。

洗剤(界面活性剤)

テーブル、ドアノブなどには、市販の家庭用洗剤の主成分である「界面活性剤」も一部有効です。界面活性剤は、ウイルスの「膜」を壊すことで無毒化するものです。9種類の界面活性剤が新型コロナウイルスに有効であることが確認されています(NITEの検証による)。※洗剤のリスト

<使用方法>有効な界面活性剤が含まれた家庭用洗剤を選びます。
①家具用洗剤の場合、製品記載の使用方法に従ってそのまま使用します。
②台所用洗剤の場合、薄めて使用します。

塩素系漂白剤と違って2度拭きの記載がありませんが、それぞれの洗剤の使用上の注意をよく読んで対応してください。

次亜塩素酸水

テーブル、ドアノブなどには、一部の「次亜塩素酸水」も有効です。
「次亜塩素酸水」は、「次亜塩素酸」を主成分とする、酸性の溶液です。酸化作用により、新型コロナウイルスを破壊し、無毒化するものです。いくつかの製法がありますが、一定濃度の「次亜塩素酸水」が新型コロナウイルスの感染力を一定程度減弱させることが確認されています(NITEの検証)。
<使用方法>消毒したいモノの汚れをあらかじめ落としておきます。
①拭き掃除には、有効塩素濃度80ppm以上(ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを水に溶かした製品の場合は100ppm以上)の次亜塩素酸水をたっぷり使い、消毒したいものの表面をヒタヒタに濡らした後、20秒以上おいてきれいな布やペーパーで拭き取ってください。元の汚れがひどい場合などは、有効塩素濃度200ppm以上のものを使うことが望ましいです。
②生成されたばかりの次亜塩素酸水を用いて消毒したいモノに流水掛け流しを行う場合、35ppm以上のものを使いましょう。20秒以上掛け流した後、きれいな布やペーパーで拭き取ってください。

一度汚れを拭き取り、次亜塩素酸水に20秒以上さらし、きれいな布などで拭き取るという手間がかかります。

また、次亜塩素酸水は、製法が様々で誤解も多いので上記の濃度が保たれているか確認して使用しましょう。

アルコール(濃度70%以上95%以下のエタノール)【再掲】

<使用方法>濃度70%以上95%以下のエタノールを用いて拭き取ります。

空気中のウイルス対策

空気中のウイルス対策は換気しかありません!

新型コロナウイルス等の微粒子を室外に排出するためには、こまめに換気を行い、部屋の空気を入れ換えることが必要です。
室内温度が大きく上がらない又は下がらないよう注意しながら、定期的な換気を行いましょう。窓を使った換気を行う場合、風の流れができるよう、2方向の窓を、1時間に2回以上、数分間程度、全開にしましょう。

空間噴霧

「室内空間で日常的に物品等の表面に対する消毒剤の(空間)噴霧や燻蒸をすることは推奨されない」など国際的な知見が示されており、厚生労働省も空間噴霧を勧めていません。

まとめ

次亜塩素酸水の有効性は、最終的には認められました。

ただし、製造方法や製品が安定していないものが多く、使用する際には注意が必要です。

未だにアルコールの確保は難しいとは思いますが、手指は石鹸による手洗いモノの消毒等は市販の洗剤空気中のウイルス対策は換気を徹底しておけば難しい対応はありません。

かなり長期間になってきて、億劫に感じておられるかもしれませんが、南米の状況を見ている限り、日本でも今年の冬までには第2波が来そうです。

今のうちに習慣化し、職場でも家庭でも対応できるようにしておきましょう。

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