大雨が降るたびに、ニュースでよく耳にする「50年に1度の雨」って何か基準でもあるの?なんて思っている方も多いはずです。
結論から言ってしまえば、実は、これは明確な基準があります。
今回は、この基準をわかりやすく解説したいと思います。
今度からニュースを聞く際には、かなりわかりやすくなると思います。参考にしてみてください。
50年に一度の値とは?
50年に一度の値は、気象庁が、平成3年以降 の観測 デ ータ を使って、50年に一度程度の頻度で発生すると推定される降水量や土壌雨量指数の値(50年に一度の値)を計算し、これを大雨特別警報に使っているものです。
ですので、一番間違いやすいのですが、過去50年の間に実際に観測された値の最大値というわけではありません。
この「50年に一度の値」は 、日本全国を5km四方に区切った領域 (「5km格子」と呼びます)ごとに算出してあります 。この値は毎年更新されています。
予想される大雨により「50年に一度の値」以上となる5km格子がいくつ出現するかを、大雨特別警報の指標(発表条件)のひとつとされています。
よって、1つの格子の「50 年に一度の値」の大小が特別警報の発表判断に大きく影響するものではありません。
雨に関する50年に一度の値は3種類
48時間降水量
48時間に降る雨の量を基にした数字です。
3時間降水量
3時間で降る雨を基にした数字です。値が150mmに達していない格子は150mmになったときにカウントされます。
土壌雨量指数
降った雨が土壌中にどれだけ溜まっているかを数値化したものです。
特別警報の発令条件
5km格子を使用した発表条件
下記の①又は②いずれかを満たすと予想され、かつ、さらに雨が降り続くと予想される地域の中で、危険度分布で5段階のうち、最大の危険度が出現している市町村等に大雨特別警報が発表されます。
① 48時間降水量及び土壌雨量指数において、50年に一度の値以上となった5km格子が、共に50格子以上まとまって出現。
② 3時間降水量及び土壌雨量指数において、50年に一度の値以上となった5km格子が 、共に10格子以上まとまって出現。
(ただし、3時間降水量が150mm以上となった格子のみをカウント対象とする。)
1km格子を使用した発表条件
過去の多大な被害をもたらした現象に相当する土壌雨量指数の基準値を地域毎に設定し、この基準値以上となる1km格子が概ね10格子程度まとまって出現すると予想され、 かつ、さらに雨が降り続くと予想される場合、その格子を含む市町村等 に大雨特別警報(土砂災害)が発表されます。
その他の特別警報等
台風に関する特別警報の発表条件
「伊勢湾台風」級(中心気圧930hPa以下又は最大風速50m/s以上)の台風や同程度の温帯低気圧が来襲する場合に、特別警報が発表されます。
ただし、沖縄地方、奄美地方及び小笠原諸島については、中心気圧910hPa以下又は最大風速60m/s以上となっています。
雪に関する特別警報の発表条件
雪についても、50年に1度の積雪深という値があり、これを基に特別警報が発表されます。
府県程度の広がりをもって50 年に一度の積雪深となり、かつ、その後も警報級の降雪が丸一日程度以上続くと予想される場合に、大雪特別警報が発表されます。
まとめ
意外な事に、50年に1度の雨などの基準は皆さんのお住いの地域で細かく定められていました。
ニュースでよく聞く「50年に1度の雨」などというフレーズを聞いた場合には、特別警報の発表が近いと思った方がよさそうです。
要件さえ満たしてしまえば、特別警報が発表されると言うことです。
日本に住んでいる以上、毎年大雨などの災害を回避することはできません。身の危険が迫っていると言うことを認識し、早めに対応しておけば安心ではないでしょうか。
最後にみなさんのお住いの数値が細かく記されている気象庁の資料へのリンク先を掲載しておきますので、興味ある方はぜひご覧ください。
雨に関する各市町村の50年に一度の値一覧(令和2年5月26日現在)PDF
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