私は老後の資金づくりとしてお勧めしているのは、インデックスファンドですが、投資信託にはインデックスファンドと対義語的に用いられるアクティブファンドというものがあります。
アクティブファンドはインデックスファンド以上の成果を残すように、独自の銘柄選びなどを行って仕組まれた投資信託です。
今回はアクティブファンドについて詳しく解説していきたいと思います。
アクティブファンドがご自分に合っていると思われる場合は、始めてみられることも良いかと思います。
アクティブファンドとは？
アクティブ・ファンドとは、あらかじめ決められた運用方針のもとで、ファンド・マネージャー（運用担当者）が、投資する銘柄やその割合などを決定し運用するファンドのことです。アクティブ・ファンドでは、世界情勢や金融市場に関する調査や企業調査などを通じ銘柄分析などをし、相場状況にあわせた銘柄の入れ替えや配分の変更を行います。
アクティブファンドの魅力は大きなリターン
アクティブファンドのファンド・マネージャーは膨大な情報を元に高度な分析手法を用いて運用を行っており、上手くいけばベンチマーク以上のリターンも期待できます。
アクティブファンドは種類が豊富
インデックスファンドに対して、アクティブファンドの種類は豊富です。
インデックスファンドの運用方法は、指数に連動することを目指す投資信託ですので、日経平均株価やTOPIXなど対象となる指数は数が限られています。
一方、アクティブファンドはバリュー投資やグロース投資などさまざまな運用手法があり、AIやフィンテックなどの「テーマ型投信」、毎月分配金をだす「毎月分配型投信」などバリエーションがかなり豊富です。
投資信託の９割程度はアクティブファンドです。さらにアクティブファンドは、運用方法や投資対象などさまざまな種類から選ぶこともできます。
アクティブファンドは心がこもっている
インデックスファンドであれば、日経平均で考えればわずか225銘柄を機械的に買い続ければ良いです。
それに対し、アクティブファンドは、運用を担当する「ファンド・マネージャー」、銘柄を分析する「アナリスト」、実際に売買する「トレーダー」などたくさんの人が運用に関わっています。
運用方針は決まっていますが、たくさんの人がかかわって、真剣に心を込めて銘柄や割合などを考えて選定し、運用しています。
運用コストが高くなる
先ほども述べたとおり、関わる人が多いため（又は人為的に行うため）どうしても人件費などのコストがかかります。
信託報酬は、インデックスファンドにくらべて平均で、アクティブファンドの方が3倍くらい高く設定されています。
最近は、特に信託報酬を下げる流れになってきていますが、インデックスファンドより低くなることはありません。
下落局面では下落を緩やかにできる
アクティブファンドは、日本の景気が悪いことでの下落する影響は避けられませんが、その打撃を軽微にするためファンド・マネージャーが努力します。景気の影響を受けにくい銘柄に入れ替えたり、現金の比率を引き上げたり、さまざまな工夫が行なわれ結果として下落を緩やかにすることができます。
ファンドマネージャー次第
ファンドマネージャーは、得意な分野や得意な社会情勢など得手不得手があります。過去の実績などそのファンドマネージャーについての情報はある程度仕入れることはできると思いますが、実際のところファンドマネージャーについて情報を得ても、これから大丈夫なのか誰にもわかりません。
アクティブファンドは最終的にはファンドマネージャー次第というところは否めません。
まとめ
アクティブファンドはインデックスファンド以上の成績を残すことを目指しているファンドです。
ですので、インデックスファンドを大きく上回るリターンを得ることもできます。また、下落局面では、下落に巻き込まれないようにファンドマネージャーが銘柄を調整できますので損失も少なくなることがあります。
自分が気になっているセクターに絞った投資ができますので、例えばＳＤＧｓなど環境に関する銘柄に投資したい人などはそういったもののテーマ型のアクティブファンドを選ぶこともできます。
ファンドマネージャーが分析し銘柄の調整などを行うので、どうしても人件費部分などのコストがインデックスファンド以上にかかり、手数料が高くなります。手数料が高いと言うことは当然、資産運用成績が悪くなってしまいます。
過去のデータを見ても、20年などの長期投資になるとアクティブファンドはインデックスファンド以上の成果を見せることができていません。アメリカの調査ですが過去10年間を振り返ってもアクティブファンドの9割以上がインデックスファンドの運用成績を上回ることができていません。
アクティブファンドを活用する場合は、インデックスファンドの補完として購入するのがベターだと私は思っています。
アクティブファンド単独での資産運用はお勧めしません。
