はじめに
株やFXなど投資を始めようと思うと、今は買い頃なのかどうか悩んでしまうと思います。そのためプロでも初心者でも参考にするのがチャートです。ただ、チャートと言っても何をどう見たらよいのかわからないとお悩みの方も多いと思います。
そこで今回は、私が特に愛用している「MACD」についてわかりやすく解説したいと思います。
「MACD」は1970年代後半にジェラルド・アぺル氏が開発したテクニカル分析法です。移動平均線が元なのですが、初心者でも視覚的にわかりやすく世界中の投資家も活用しているものです。テクニカル分析の代表格となっています。非常に単純な仕組みなのですが、売買のタイミングを探るためには欠かせないチャートです。
あなたも、「MACD」を理解し活用できるようになれば、プロトレーダーの仲間入りができるかもしれませんね。
MACD入門
MACDってなに?
「MACD」は「マックディー」と読みます。「Moving Average Convergence Divergence」の頭文字をとったもので、日本語表記では「移動平均収束拡散法」などと言います。
MACDは、MACD線とシグナル線という二つの線でできています。この二つの線は異なる指数で求めた移動平均線で直近の値を強調するものになっています。
MACD線は短期の指数平滑移動平均から長期の指数平滑移動平均の差を値として線で結んだものになります。また、シグナル線はMACD線の値を指数平滑移動平均線にしたものです。通常日足でいえば、長期=26日、短期=12日、シグナル線=9日として計算します。プロになるとこの数字を変えて使用しています。開発者本人の書いた本も熟読しましたが、この数字を変えると買いのシグナルを拾うのが得意な場合と売りのシグナルを拾うのが得意なものとがありなかなか変えにくいことがわかりました。
基本的には大半のトレーダーが同じ数値を使ってテクニカル分析を行っていますので、あまり変えない方が良いかと思います。
MACDは移動平均線の欠点を補完
移動平均線は、価格の傾向や流れなど相場の方向性を探る手掛かりになりますが、どうしても過去の平均となるので、その期間分反応が遅くなります。
この移動平均線の遅効性を補完するため開発されたのがMACDです。
移動平均線ではどうしても遅れがちだった売り買いのタイミングが、ほぼリアルタイムに近くなっています。
MACDをどのように活用するのか
MACDは移動平均線と同じでMACD線とシグナル線が、クロスするこのタイミングを買いと売りのサインとして活用します。
例えば、MACD線がシグナル線を下から上に突き抜けた場合を「ゴールデンクロス」、その逆に下抜けた場合を「デッドクロス」と言います。
このゴールデンクロスを買いのシグナル、デッドクロスを売りのシグナルとして判断し、売買するという方法です。
また、二つの線は0を挟んでプラス圏とマイナス圏を行ったり来たりします。マイナス圏でゴールデンクロスしたところが買いのタイミングですが、この二つの線が並行してそのまま0を超えてプラス圏に入ったときには買いが確かなものとなります。力強い上昇が期待できます。また、その逆にプラス圏でデッドクロスした場合は売りのタイミングですが、この二つの線が並行してそのままマイナス圏に入ったときには売りが確かなものとなり、売りが確かなものとなります。強烈な下落が期待できます。
私の活用法
私は、売買のタイミングを把握するために「MACD」を活用しています。
もちろんRSIと一緒に活用するのが一番良いとは思いますが、そこまではせずに、ローソク足と組み合わせてシナリオを立てて売買をします。
あせって、相場の把握をしようとするとダマしに引っかかってしまうので、注意をしています。
実際の売買の判断は、経験則に照らしてもいます。MACDも開発から約50年が経ち欠点を補完するテクニカル分析指標も開発されています。それを組み合わせることによって、機械的に売買できるようになってきています。
MACDは本当に株や為替など使えます。ぜひ皆さんもご活用ください。
まとめ
今回のポイントは
- MACDは投資家のメジャーアイテム
- MACDは移動平均線の欠点を補完したもの
- MACD線とシグナル線の2本の線がある
- 2本の線がクロスすることで、売買のサインを読み取る
- MACDを補完する指数もある
以上です。
MACDはレンジ相場、ほとんど値動きしない相場が苦手です。変なタイミングで売り買いのサインが出ることがあり、これをMACDのダマしと言います。
このだましを見破るためにRSIなどの指数を合わせて利用します。
MACDを身に着ければ、鬼に金棒です。