厚生労働省が、6月の第1週に行った、新型コロナウイルスに関する抗体検査の結果を発表しました。
これは、日本国内でどれくらいの人が新型コロナウイルスの抗体を持っているのか把握するため、6月1日~7日にかけて、東京都・大阪府・宮城県で、無作為抽出し、調査への参加に同意をした方(東京都1,971名、大阪府2,970名、宮城県3,009名、計7,950名)を対象に抗体検査を実施したものです。
私も興味があったので詳しく調べてみました。
抗体検査とは?
そもそも抗体検査って何だろうと思った方も多いかもしれません。
人がインフルエンザなどのウイルスに感染した場合、体内で特定のたんぱく質がつくられます。これを「抗体」と呼びます。
今回は、新型コロナウイルスに感染した場合に作られる「抗体」が血液中にあるかどうか検査したものです。
検査方法は?
海外にロッシュ社とアボット社という会社があるのですが、この2社が開発した試薬を使って検査します。
今回は、この2社の検査キット両方で陽性となった人を、抗体を持っている人だと判定したようです。
また、現在、アメリカ食品医薬品局へ試薬キットの認定申請中のモコバイオ社のキットも参考として検査に使ったようです。
検査結果は?
厚生労働省が発表した内容は以下のとおりです。
ご覧の通り、東京都で0.1%、大阪で0.17%、宮城県で0.03%の人が新型コロナウイルスの抗体を持っていたことになります。
大雑把に言ってしまえば全国民の99%以上は抗体を持っていないと言うことになります。
私が以前の記事で、日本人はすでに集団免疫を獲得しているという学説が出ていることをご紹介いたしましたが、完全に否定されてしまう発表となりました。
抗体の不確実さ
通常の抗体検査であれば、そのウイルスに感染したあとであればいつでも抗体反応が陽性となるわけですが、今回の新型コロナウイルスについてはよくわかっていません。
・どれくらいの期間、血液中に存在するのか?
・抗体を持っていれば2回目からは感染を防ぐことができるのか?
など、抗体に関する研究が進んでおらず、抗体の性質は確定していません。
第2波は確実に起こる
日本国民のほぼ全員が抗体を持っていないのであれば、感染する可能性はかなり高いです。一度、感染拡大が始まれば、第2波の発生は必ず起こりうると言うことになります。
やはり、ワクチンが開発されるまでは、3密対策を継続していくしかないと言うことになります。
まとめ
今回の調査は、約8000人ほどでしたが、ソフトバンクが検査キットの配布など支援したことにより、全国各地で抗体検査が実施されていくと思われます。
多分、今回の検査の結果に近い結果が出ると思います。
ワクチンで集団免疫を持つようになるまでは、とにかくマスク手洗いの徹底などをして今まで以上に感染対策を続けていくしかありません。
後半年程度は、我慢しないといけないと思いますが、皆さん頑張って乗り切りましょう!