新型コロナウイルス感染症対策の政府の基本方針を受けて、様々な業界がガイドラインを作成し、公表しています。
これまでも、様々な業界をご紹介してきましたが、少し意外なガイドラインを見つけました。
それは全日本剣道連盟の出したガイドラインです。
様々な業界スポーツで試合等を再開してきている中、剣道は対人の練習を自粛するよう求めています。
それはなぜなのか?今回はこれをわかりやすく解説したいと思います。
ガイドライン作成者
全日本剣道連盟
趣旨
緊急事態宣言が解除されましたが、それによって対人練習を再開する計画をたてている人が多いと思うが、引き続き自粛するように求める
内容
令和 2 年 5 月 17 日
全日本剣道連盟要請全文
対人稽古自粛継続のお願い
政府は、39 県について新型コロナウイルス感染症に関する「緊急事態宣言」を解除しました。剣道人の皆様、特に感染者が少ない地域の皆様におかれては、これを機に、対人稽古の再開を考えている方もおられるかと存じます。しかしながら、全日本剣道連盟(以下「全剣連」)としては、引き続き、すべての都道府県において、対人稽古の自粛をお願い申し上げます。
政府は、上記の通り緊急事態宣言を多くの地域で解除しましたが、解除された地域においても「新しい生活様式」の徹底、継続を呼び掛けています。
また、新しい生活様式の中では、「3 密(密閉、密集、密接)の回避」を求めています。
剣道は、残念ながら「3 密」に該当する可能性が高い武道です。そして新型コロナウイルスの感染源となりうる口からの飛沫飛散が非常に多いことも事実です。実際、剣道の稽古を通じて多くの人が新型コロナウイルス感染症に感染した事例もあります。全剣連としては、剣道が感染クラスターにならないように全力で取り組みたいと考えます。このため、上記の通り引き続き「対人稽古の自粛」をお願いするものです。
一方、全剣連は、8 月以降の審査会、大会を予定通り実施していく計画ですが、それに先立って、対人稽古自粛勧告を解除し、対人稽古の再開を検討しているところです。
しかし、対人稽古の自粛勧告解除に当たっては、剣道の対人稽古による感染リスクを大きく低下させる必要があります。全剣連は、全日本武道具協同組合殿と共同で、科学的データに裏付けられた感染を防御する可能性の高い用具の開発、あるいは既存用具の改良等を行っているところです。これらについて、一定の成果が得られれば、対人稽古の自粛勧告解除を行う予定です。全剣連としてはできるだけ早く皆様にお知らせできるよう努力してまいりますので、今しばらく、対人稽古の自粛を継続して頂けますようお願い申し上げます。
以上
要点は以下のとおりかと思います。
- 対人稽古自粛継続
- 剣道の稽古でクラスター発生した過去がある
- 8月からは大会等をやる方向
- その前から対人稽古ができるようにする
- 方法としては道具の改良等
剣道の稽古でクラスター発生
愛知県で感染者が確認された当初、愛知県警でクラスターが発生したことがありました。これは、県警の職員が参加していた剣道の稽古が原因であると言われています。
また、愛知県警は剣道で日本一になるような選手が多数在籍しています。日本の剣道の中枢と言っても良いと思います。
このような経験があるため、慎重に対応しているようです。
どのように道具の改良をしているのか
正直なところ詳しいことはわかりません。
剣道の面にフェイスシールドをつけたりするのかなとは思いますが、呼吸が苦しく今まで以上に蒸れる状態になりそうなので、難しいところだと思います。
また、声を出して判定する以上、声がこもってしまっても困るので構造は相当改良が必要かと思います。
どのようなものになるか楽しみです。
まとめ
剣道は室内競技ですし、大声を発し、必ず対面して行うものです。3密対策を考えるとなかなか難しいと思います。
全日本剣道連盟の判断はいたって正しい判断だと思います。
ただ、改良があまりにも手が込んで、高額な新しいものを導入した場合には、全国に行き渡るまでには相当時間がかかってしまいます。
できるだけ安価で、簡単な対応方法を開発されることを期待しています。
実際に対人稽古が再開される場合には、新たなガイドラインも示されると思いますのでその際にはまたご紹介したいと思います。