特別定額給付金は国の補正予算審議がまだ終わっていません。予算成立は最短で5月1日の予定です。申請手続きは早くても5月1日以降になります。
しかし、その申請の前に手続きをしておかなくてはならない人がいます。
しかももうその手続きは始まっています。
給付金は世帯単位で判断
給付金は世帯が単位
給付金の申請は、世帯全員分を世帯主が申請して、世帯主の口座でお金を受け取ります。
世帯主や世帯人数の基準日
4月27日が基準日になっています。
その日に生きている人が給付金の対象になりますし、その日の世帯および世帯主が申請の基準になります。
世の中には様々な事情がある人がいる
ホームレス
家を失い、住む場所もなく、川の土手や様々な場所で夜露をしのいで生き抜いている人がいます。今回の給付金はこのような方も給付の対象になります。
ネットカフェ難民
ネカフェ難民も多いと思います。もちろんその方も今回の給付金の給付対象です。住民票の住所に住んではいなくても住民登録している方もあり、申請書類が届かなかったり実家に届いて自分が受け取れないかたもいると思います。
具体的な受給方法はまだ決まっていませんが、市区町村の窓口で手続きすることになると思います。
DV被害者
配偶者からの暴力により、命からがら別の場所に移り住んで、配偶者との連絡を一切断っている方も多いと思います。このような方も、証明書類をもって申請すれば今回の給付金を受け取ることができます。
その他
親子の縁を切ってしまって、家を飛び出した方(ネカフェ難民にも存在する。)など、様々な世帯が存在すると思います。
配偶者によるDV被害で避難している人が給付金を受け取る方法
配偶者の暴力により住所地から避難している方も全国で多数、おられます。そのような方は住所を避難先(居住地)に移すと足がついてしまって、配偶者に見つかってしまうこともあることから住民登録を変更していない方が多いです。
この場合、世帯主は配偶者だと思いますので、全部給付金を配偶者に取られてしまいます。
このように泣き寝入りするしかない被害者が特別定額給付金を受け取れるように、今回制度が定められています。
基準日までに住民票を移すことができた人の場合
配偶者からの暴力を理由に避難し、配偶者と生計を別にしている者(以下「配偶者からの暴力を理由に避難している者」という。)は、当該配偶者とは異なる市区町村に居住した場合、特段の事情がなければ、当該市区町村に住民票を移すこととなる。基準日(令和2年4月27 日。以下同じ。)までに住民票を移した場合、配偶者からの暴力を理由に避難している者についても、原則どおり、特別定額給付金(以下「給付金」という。)の支給は、基準日時点での配偶者からの暴力を理由に避難している者の住民票の所在する市区町村が行うこととなる。
総務省ホームページ
簡単なことが難しく書いてありますが、DV避難のために別の市区町村に4月27日までに住民票を移せば特別定額給付金を受け取ることができるということです。
当たり前ですね。
基準日までに住民票を移せなかった人はどうなるのか?
住民票を基準日(4月27日)までに移すことができなかった人の場合、以下のとおり総務省のホームページに書いてあります。
1. 支給市区町村の変更を行うべき事例
基準日時点で、住民票が所在する市町村とは異なる市区町村が給付金の支給を行うことを検討すべき事例として、次のものが挙げられる。(1) 基準日以前に発生した配偶者からの暴力を理由とした避難事例で、配偶者からの暴力を理由に避難している者が諸事情により基準日までに住民票を移すことができないもの
(2) 基準日の翌日以降に発生した配偶者からの暴力を理由とした避難事例
これらの場合には、配偶者からの暴力を理由に避難している者が、後述する「一定の要件」を満たしており、その旨を申し出た場合、当該申出を行った配偶者からの暴力を理由に避難している者(以下「申出者」という。)の給付金については、基準日時点で申出者の住民票が所在する市区町村(以下「住民票所在市区町村」という。)からではなく、申出日時点で申出者が居住する市区町村(以下「居住市区町村」という。)から支給する。※ 配偶者等から申出者分の給付金につき同一世帯に属する者としての申請があった場合でも、配偶者等に対する支給を行わないこととする。
総務省ホームページ
※ 申出者の居住地が住民票所在市区町村内にある場合は、支給市区町村の変更は行わないが、配偶者等から申出者分の給付金につき申請があった場合の取扱いは同様である。
簡単に言うと、4月27日時点で住民票ができない人は、申し出れば、配偶者の世帯に給付金は支払わないし、申出者(被害者)が住んでいる市区町村で給付金を支給しますということになります。
また、4月27日よりも前の場合も、その後に発生した場合でも対象になります。ただし、給付金の支給決定通知が出てしまうと手遅れになります。
2. 申出者の満たすべき「一定の要件」
1.のとおり、申出者に対する給付金の支給市区町村を住民票所在市区町村から居住市区町村に変更するための要件は、次の(1)から(3)までに掲げる要件のいずれかを満たすこととする。(1) 申出者の配偶者に対し、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成13 年法律第31 号。以下「配偶者暴力防止法」という。)第10 条に基づく保護命令(同条第1項第1号に基づく接近禁止命令又は同項第2号に基づく退去命令)が出されていること。
総務省ホームページ
(2) 婦人相談所による「配偶者からの暴力の被害者の保護に関する証明書」(地方公共団体の判断により、婦人相談所以外の配偶者暴力対応機関が発行した確認書を含む。)が発行されていること(確認書を発行する際は別紙様式1を参考とすること)。
(3) 基準日の翌日以降に住民票が居住市区町村へ移され、住民基本台帳事務処理要領(昭和42 年自治振第150 号自治省行政局長等通知)に基づく支援措置の対象となっていること。
やはり一定の要件を満たさないと、このような措置の対象にはならないようです。
- 配偶者暴力防止法に基づく保護命令
- 配偶者からの暴力の被害者の保護に関する証明書
- 基準日以降に住民票を移し住民基本台帳事務による支援措置対象
このような要件になります。
この要件に当たる人は、申出書を出すことによって今住んでいる市区町村で給付金を受け取ることができます。
一定の要件を満たす人はまず、居住している市区町村に申出書を提出する
特別定額給付金を受け取るためにはまず、まず、申出書を居住している市区町村に提出することになります。もちろん様式を見るとわかりますが、一定の要件を満たしている証明書を添付しなくてはなりません。
証明書
【裁判所の保護命令決定書の謄本又は正本】
配偶者暴力防止法に基づく保護命令が出ていることを証明する書類です。
婦人相談所又は配偶者暴力相談支援センターが発行する証明書です。これはあくまでも参考様式で、各市区町村によっても違うと思います。詳しくは居住地の市区町村にお尋ねください。※小さな市区町村ではこの証明書の事が突然国から出ていますので把握していない場合もあります。総務省のホームページやチラシなどを活用し問い合わせてみてください。
申出書
証明書類がそろえば、特別定額給付金受給に係る配偶者からの暴力を理由に避難している旨の申出書に証明書を添付して居住している市区町村に提出します。
※この申出書が適正と認められれば、はじめて特別定額給付金申請書を提出することができるようになります。
申出書受付がもう始まっている!!!
申出書の事前申出期間が令和2年4月24日~4月30日となっています。もうすでに始まっています。
もちろん4月30日を過ぎても申出はできますが、特別定額給付金の申請書を提出し支払に関する支給決定通知が発行されるまでにしなければなりません。
手遅れにならないよう気を付けましょう。
まとめ
配偶者による暴力によって避難している方については、一定要件を満たせば特別定額給付金を配偶者に渡さずに受け取ることができます。ただしその受付時期はもう始まっています。
本文では触れていませんでしたが、避難している方のお子様等も同様に取り扱いがなされます。子どもと一緒に避難している場合は忘れずに申し出ましょう。
申出書はあくまでも自分で給付金を申請できるようにするためのもので、給付金を受け取る場合は、普通の世帯と同様、給付金の申請書を更に出さなければなりません。これを忘れないようにしましょう。
本当に残された時間が少ないので、もし周りで、避難者がおられるようでしたらぜひ、この情報を教えてあげてください。