新型コロナウイルスで医療崩壊危機の次は行政崩壊危機

日本経済
新型コロナウイルス ストップ

経済対策?臨時給付金

緊急経済対策1兆円

政府・与党は4月3日に「収入が減少した世帯に30万円を配布する臨時給付金」を柱とする緊急経済対策を決まました。その額約1兆円。消費税1%分に相当します。

臨時給付金の内容

臨時給付金の主な内容は以下のようです。

  • 1世帯当たり 30万円
  • 世帯の収入が約50%以上減っている世帯が対象
  • 非課税世帯も対象
  • 各市区町村の窓口で申請
  • 減収の照明は申請時に自己申告(要証明書類)
  • 給付金は非課税

※国会の議論のより内容は変わることがありそうです。

臨時給付金の目的

菅官房長官は、「生活に困難を来す恐れのある家庭を対象にし、生計維持に必要な給付水準を検討した」と述べています。

経済対策というよりは、福祉施策と言えそうです。

セーフティネットが崩壊寸前

医療

東京を中心に、新型コロナウイルス患者の入院が増えており、医療機関の病床が一杯になってしまいそうな状況です。

そのため、軽症の新型コロナウイルス患者には自宅などでの療養措置などを始めるようになってきています。

患者が増えている地域では、今後、更にこの流れが増えていくことになります。

警察

愛知県警では、警察官10人が新型コロナウイルスに罹患しました。今後も、その他、地域で増えると思います。

全国で警察官が多数、罹患してしまえば、日本の治安が維持できません。

海外では外出禁止となり、家庭内でのDVが増えているようです。人が外出しなくても家庭内の事件は起こることが予想されます。警察官にはできるだけ感染してほしくないと願うばかりです。

市区町村(行政)

新型コロナウイルスに感染した人の多寡によって、それぞれの地域で状況は違いますが、一様に、新型コロナウイルス対策に奔走しています。

  • 新型コロナウイルスに関する相談
  • 患者が発生した場合の対応(消毒、濃厚接触者のフォローなど)
  • 学校の休校
  • 保育園、学童保育の拡充
  • マスク、消毒用品の確保
  • 住民票発行など窓口業務での感染予防対策

国からは、「できるだけ住民が窓口に来なくてもサービスが受けられるように(郵送などで発行するなど)すること。換気を定期的にすること。住民が手を触れる部分はアルコール等で定期的に拭くこと。待合所も間隔を開けて座るように配慮することなど。」要請が届いており、小まめな対応を求められています。ただでさえ住所の移動が多い込み合う時期に、ここまでの対応を求められると、今まで以上にマンパワーを割くことになります。

また、増えてきましたが、市区町村の職員が新型コロナウイルスに罹患し、その庁舎自体を閉鎖する事例も起こっています。行政の職員はどうしても住民と接触する機会も多く罹患する可能性はかなり高いです。ただ、完全防備で住民対応する訳にも行かず、罹患してしまうケースも多いようです。

罹患してしまった場合は、庁舎閉鎖となり一時的に住民サービスを行えなくなってしまいます。

各市区町村にはBCPと言って業務継続計画を立てている場合があります。今回も一時的に職員が出勤停止となり業務継続が困難となる場合もありますので、このような場合を想定し、窓口サービスなどを継続するように計画策定をしているようです。

さらに、今回、臨時給付金の申請事務は市区町村の窓口ということのようです。

完全に市区町村の職員のキャパオーバーにつながってしまうことが予想されます。

できる限り臨時給付金の申請は、今、仕事がなくて困っている民間事業者に回して少しで救済するような制度にしなくてはならないと思います。

もし今大災害が発生したら

避難所は大混乱

今、東日本大震災のような災害が起こったらどうなるでしょうか。

とりあえず避難所に避難する人も多いと思います。しかし、新型コロナウイルス対策の影響で、体育館などの狭いスペースにギュウギュウに入ることは誰も望みません。

また、消毒液やマスク、手袋がない中で救援物資の配布など危険な状況が続きます。完全にパニックに陥ってしまうことが予想できます。

医療機関は飽和状態

医療機関は当然、新型コロナウイルスによってギリギリの状態です。

新たに、震災によって発生した重篤な患者を受け入れようにも、その前に、新型コロナウイルスの軽症患者などを裁かなければなりません。

病院内での対応はなかなか進まないことが予想されます。

市区町村は業務継続不能

市区町村の職員が新型コロナウイルスに罹患し庁舎の閉鎖や、体育館、公民館などの避難場所として使用する施設を閉鎖している場合もあります。

その状況で、大震災が起きてしまえば、どう対応してよいのか混乱が起こるのは必至となります。

まとめ

あまり報道で取り上げられてはいませんが、市区町村の業務は新型コロナウイルス対策で限界を迎えようとしています。ここで臨時給付金の申請等の受付を更に求めれば、機能不全にもなりかねません。

繰り返しになりますがここは、臨時給付金の申請の受付業務を、新型コロナウイルスの影響を受けてほぼ休眠状態になってしまっている民間の企業を活用すべきだと思います。

そうしなければ、災害に対応しきれないばかりか、崩壊してしまう可能性すらはらんでいます。

臨時給付金を含む経済対策は4月7日に閣議決定、予算成立が4月24日か27日あたりになりそうです。

何とか、良識ある制度にしていただきたいと願うばかりです。

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