最近、毎日のように、「50年に一度の大雨」「過去に経験したことがない大雨」などの表現で、大雨のニュースを耳にします。
そもそも、6月~7月の時期いわゆる梅雨時期になぜ、雨が毎日のように降り続くのでしょうか?
わかっているようでよくわからない、梅雨の仕組みについてわかりやすく説明したいと思います。
天気のニュースを見るときの参考にしていただければ幸いです。
梅雨の時期に雨が降る仕組み
梅雨の頃(6~7月)、北海道の北側にある「オホーツク海高気圧(オホーツク海気団)」と南の海上にある「太平洋高気圧(小笠原気団)」が日本付近でぶつかって、押し合いの状況になります。
暖かい空気のかたまり(太平洋高気圧)と冷たい空気のかたまり(オホーツク海高気圧)の境目は線のように延びて「前線」ができます。これが「梅雨前線」と呼びます。この時期の北と南の高気圧は、大きく勢力が変化しないことから、前線はあまり動かず、1カ月以上も雨やくもりの日が続きます。
通常であれば、梅雨が終わりに近づくと、南西の方から暖かくて湿った空気のかたまりが押し寄せ、さらに南からも暖かい湿った風が吹きつけてくるようになります。これが大雨をもたらします。よく天気予報で「前線を刺激して活発になっています」と説明する状況のことです。
線状降水帯
太平洋高気圧の西側の縁を廻って、非常に暖かく湿った空気が日本付近に流れ込むことがあります。この暖かく湿った空気は舌のような形をして日本付近へ北上してくるため湿舌(しつぜつ)と呼ばれています。
ここ数年、天気のニュースでよく耳にしますが「線状降水帯」という言葉があります。気象用語として厳密な定義はありませんが、簡単に言えば、「線状の降水域が数時間にわたってほぼ同じ場所に停滞することで大雨をもたらすもの」ということになるでしょうか。
線状降水帯は、もっとわかりやすく言うと「積乱雲が帯状につながったもの」です。
梅雨前線に湿舌から供給される水蒸気とが合わさると、活発な積乱雲が発生し続け線状降水帯が同じ場所で長時間にわたり大雨をもたらすために、災害が発生しています。
2020年の梅雨は?
今年の梅雨は、少し、近年と違う降り方をしています。
梅雨入り後の前半は、季節外れの北からの換気が流れ込み雨雲が発達したため前線の北側に雨雲が発生し、大雨をもたらしました。
その後、間を開けずに今度は、南から暖かい空気が流れ込んで活発な雨雲が、前線の南側に発生し大雨をもたらしています。
線状降水帯が出来やす状態となっています。通常であればこの状態は梅雨の末期に太平洋高気圧の勢力が増すときにおこるものですが、まだ、これから1週間以上はこの状態が続きます。例年の梅雨明けを考えれば2週間以上もこの状態が続きます。
日本全国で災害が発生しかねない非常に危険な梅雨となっています。
まとめ
梅雨は冬と夏の切り替わりの時期、境目に前線ができて、大量の雨がもたらされます。
特に今年は、大雨が降りやすい状況になっています。
日本全国どこでも災害になる可能性がありますので、毎日できるだけ天気の情報を仕入れておきましょう。
そして、いざ、災害の可能性があると思われるときは、避難をしたり、自分や家族の身を守る行動をしましょう!
※私は気象予報士でも何でもないので、最終的には気象予報士さんが言われる情報を参考にしてください。
イラスト図解 よくわかる気象学 第2版