株のスクリーニング
個別株の本格的な購入は、今はやってませんが、以前に購入していた頃、参考にしていた個別銘柄の選び方をご紹介します。
個別銘柄の選別や絞り込みの事を、スクリーニングと言います。
上場株は3,500社以上ありその中から買い時の株を探すのは意外と大変な作業です。1日に10社の企業業績を分析してもほぼ丸1年間かかる計算になります。そんなに時間をかけたら、買い時のタイミングを完全に逃してしまいます。
ですので、スクリーニングの作業が必要となります。
スクリーニング条件
スクリーニングは以前は、本(四季報)を見ながら個別銘柄を拾い上げていましたが、現在は各証券会社がホームページ上でできるようにしています。そのサイトで色々な条件を組み合わせてスクリーニングし、その中で会社をピックアップして最終的に個別の企業業績を詳細に分析して購入という流れになります。
PER(株価収益率)
株価が割安か割高かを判断するための指標で、Price Earnings Ratioの頭文字をとったものです。株価が「1株当たりの当期純利益(単に1株当たり利益、1株益ともいう)」の何倍になっているかを示している指標になります。
株価 ÷ 1株当たりの当期純利益 で求められます。
一般的には15倍以下が割安と言われています。その銘柄によってこの倍率の割高割安の判断は違う場合があります。過去の業績とPERもしっかり見ておく必要があります。
PBR(株価純資産倍率)
こちらも株価が割安か割高かを判断するための指標で、Price Book-value Ratioの頭文字をとったものです。株価が直前の本決算期末の「1株当たり純資産」の何倍になっているかを示している指標になります。
株価 ÷ 1株当たりの純資産 で求められます。
一般的には1倍以下が割安と言われています。
ROE(自己資本利益率)
会社が自己資本をどれだけ有効に活用して利益を上げているかを示す指標で、Return On Equityの頭文字をとったものです。
当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
一般的には、10%以上が良いとされています。
時価総額
時価総額とはその企業の価値を示す一つの指標であり、基本的には利益や資産が多いと大きくなるものです。ただし、老舗や一時的に株主優待などで人気がでた場合など極端に高く評価されすぎている場合もあり参考程度で見た方が良い時もある。
株価 × 発行済株式枚数
一般的には、時価総額が少ない企業がこれから成長を遂げると見込まれる企業(株)と判断され、バリュー成長株とも呼ばれます。
伸び率
売り上げや、純利益の伸び率も参考にすると絞りやすくなります。
一般的には、それぞれ10%以上伸びているものを狙うと良いと思いますが、企業開示情報やIRを見ていくと、これから確実に伸びることがわかる企業もあり単純に伸び率で判断できません。場合によっては、乗り遅れになる事もあります。
銘柄の選び方
①(できれば)セクターの選定
自分が得意とする業種やこれから伸びる産業をはじめに絞っておくとスクリーニングがやりやすくなります。
例えば、これからオリンピックがあるのでオリンピック関連産業の銘柄にするとか、インフラの再整備が進むので鉄鋼関連にしてみるとか色々あります。
これを絞っておくことで、その産業関連の情報を特に集めていれば株価変動にも対応できると思います。
②PBRとPER
割安株をまず洗い出します。
PBR 1倍以下
PER 15倍以下
③時価総額をチェック
時価総額の小さい企業、成長が見込まれる企業を探します。
できれば300億円以下が良いと思います。
④伸び率
基本的には、売上率と純利益がそれぞれ10%以上、安定して伸びている企業を探します。
⑤テクニカル分析
過去のチャートを確認して、今株価はどう動いているのか確認することも忘れずに行いましょう。過去、大幅に値動きしている場合はその理由も確認します。
⑥ビジネスモデルの確認
その企業のビジネスモデルが今時点でどうなのかも確認しておきます。もう時代遅れのビジネスモデルであと数年したらすたれてしまうものなのか、これから、どんどん発展していくビジネスモデルなのかも、自分の感性で良いのでよく考えてみましょう。
決算と株価
各企業の決算によって株価は大きく変動します。ただし、上がるときと下がるとき両方が同じように値動きするわけではなく、決算にすぐ反応するのは下げる方です。これはなぜかというと、その企業の決算状況は株を保有している人はタイムリーに把握することができます。ですので悪化すればすぐに売りという行動に動きます。しかし、株を保有していないこれから購入する人は決算状況をタイムリーに手にすることはできません。スクリーニングなどによってはじめて企業業績を知ることになるので、少し遅れて株価が値上がりしていきます。また、値上がりを知ることで企業業績を知ることもあるので、更に遅くなったタイミングで値上がりするという性質があります。値上がりするときはじわじわとゆっくりになります。
ですので、上昇に乗り遅れることは少ないと思いますので、焦らずじっくり選びましょう。